一式工事のみの許可で専門工事を請け負えるのでしょうか?

建設業許可の種類は2つの一式工事と27の専門工事に分かれています。
一式工事について、次のような質問をよくいただきます。

・一式工事の許可を取得すれば、他の専門工事もすべて施工できるの?
・一式工事のなかに許可を受けていない専門工事が含まれている場合、施工してもいいの?

結論としては、一式工事の許可を取得しても他の専門工事は施工できません。
しかし、一式工事の内容に個別の専門工事が含まれている場合、その施行については一定の要件を満たせば施工できます。

「一式工事」とは

まず、一式工事とは、他の27の専門工事と異なり、
総合的な企画、指導及び調整のもとに土木工作物又は建築物を建設する工事であり、
元請の立場で総合的なマネージメントと企画、指導が必要な個別の専門工事として施工することが困難な工事をいいます。

一式工事の許可は、元請業者が複数の専門工事業者をまとめ上げて、統括・指揮し、大規模な工事を施行するためのものであって、関係する専門工事まで行える万能な許可ではありません。

一式工事の許可のみで専門工事が施工できる条件があります

一式工事の許可業者が、一式工事に含まれる専門工事を施工するには、原則として、工事の種類に応じた専門工事の許可が必要になってきます。

しかし、次の条件を満たせば、許可がなくても専門工事が施工できるようになります。

一式工事の主任技術者が、施工する専門工事の主任技術者の資格を持っていること
施工する専門工事の主任技術者の資格を持っている者を、専門工事の主任技術者として配置すること

つまり、一式工事の主任技術者とは別に、専門工事の主任技術者も配置すれば、一式工事の許可のみで専門工事が施工できます。

この一式工事に含まれる専門工事の主任技術者のことを専門技術者といいます。
もし、専門工事の主任技術者を配置できないのであれば、専門工事に関しては専門工事業者に下請けさせる必要があります。

主任技術者とは?

建設業許可業者は、建設工事を施工する際、その工事現場に必ず配置しなければならないのが、主任技術者です。
この主任技術者は、元請・下請、また請負金額に関わらず必ず配置する必要があります。
主任技術者とは、工事現場で施工上の技術に関して管理をする者のことです。

主任技術者の役割

主任技術者は、施工計画の作成や工事の工程管理、工事目的物や工事用資材の品質管理を行い、技術上の指導監督や、工事の施工に伴う災害発生を防止するための安全管理も行います。
主任技術者になるための要件は専任技術者の要件と同じですが、専任技術者が主任技術者を兼ねることはできません。(例外的に認められる場合があります)

監理技術者

特定建設業者は元請として、4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の工事を下請に出す場合には、主任技術者に代えて監理技術者を置かなければなりません。

関連記事:『専任技術者、監理技術者、経審の技術職員には違いがあります』もご確認ください。

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