免税事業者でも昨年10月にインボイス登録したら、経審の当期の完工高や財務諸表は税抜で

2023年10月に開始された『インボイス制度(適格請求書等保存方式)』に対応し、元々免税事業者だったが、10月からインボイス登録した建設業者の方々から、経営事項審査の完工高は、税込で出していいかとのご質問を受けることがあります。

ここでは、大阪府に経営事項審査を申請する場合について、解説します。

事業年度中にインボイス登録したら、その年度分は、税抜きで

税務申告時の財務諸表を税込で提出していても、 経営事項審査を受ける場合、事業年度中にインボイス登録したら、その年度分は、税抜きの完成工事高で、工事経歴書を作成しなければなりません。
(経営事項審査を受けなければ、税込みでOKです)

経営状況分析機関に提出する建設業の財務諸表も税抜きで作成したものを提出しなければなりません。

税抜きの工事経歴書を作成する際、税込みの請求金額は、「請求金額÷1.1」で計算した金額にすればいいです。

一方、税抜きの建設業財務諸表の作成は、消費税の「課税・非課税・対象外」等の属性が、科目や仕訳ごとに異なるため、税込金額から税抜金額への修正は、決算書を作成した税理士・公認会計士の先生に依頼することをお勧めします。

課税・非課税・対象外の主な勘定科目(参考)

税抜きの財務諸表作成時に注意する点としては、以下のようなものがあります。((株)建設業経営情報分析センターHPから引用)

税込/税抜にかかわらず金額が変わらない主な勘定科目

消費税非課税あるいは対象外のため、税込/税抜にかかわらず金額が変わらない主な勘定科目

  1. 現金預金
  2. 短期借入金
  3. 長期借入金
  4. 資本金
  5. 役員報酬
  1. 従業員給料手当
  2. 退職金
  3. 法定福利費
  4. 法人税、住民税及び事業税

消費税が課税されている主な勘定科目

消費税が課税されている主な勘定科目

  1. 完成工事高
  2. 完成工事原価
  3. 兼業事業売上原価
  4. 修繕維持費、事務用品費等の販売費及び一般管理費(一部を除く)

消費税課税/非課税が混在する可能性がある主な勘定科目

契約条件等によって、消費税課税/非課税が混在する可能性がある主な勘定科目

  1. 兼業事業売上高
  2. 福利厚生費
  3. 地代家賃
  4. 雑費
  1. その他
  2. 前期損益修正益
  3. 前期損益修正損

インボイス登録していなかった前・前々事業年度分は、税込みのままでOK

インボイス登録していなかった免税事業者であった前事業年度の完工高(や財務諸表)は、税込みで作成します。(昨年度作成したままでOK)

直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)に記載する3年分の完成工事高については、下記のように記載してください。

  • インボイス登録した事業年度(当期):税抜き
  • インボイス登録前の事業年度(前期、前々期):税込み(右余白に、税込みと追記しておく)

様式上部の(税込・税抜/単位:千円)は、税抜に〇を記入します。

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