工事現場における「専任」と「常駐」について
建設業法の配置技術者について、専任が求められる場合がありますが、常駐しなくてはいけないのかという質問を受けることがあります。
国土交通省の「建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者」を引用して解説します。
建設業法での「専任」と「常駐」は異なります
専任 | 他の工事現場に係る職務を兼務せず、勤務中は常時継続的にその工事現場に係る職務にのみ従事していること |
常駐 | 現場施工の稼働中、特別の理由がある場合を除き、常時継続的に当該工事現場に滞在していること |
「専任」が求められる期間中は、その他の工事現場に係る職務に従事できません。
「専任」とは、必ずしも工事現場への「常駐」を必要とするものではありません
「専任」が求められる監理技術者等が、
・専任を要する建設工事に関する打ち合わせや書類作成等の業務
・技術研鑽のための研修、講習、試験等への参加、休暇の取得
・働き方改革の観点を踏まえた勤務体系その他合理的な理由で、短期間(1~2日程度)工事現場を離れる
等、
その間に適切な施工が出来る体制を確保することができる場合は差し支えありません。
また、これらを超える期間現場を離れる場合、
・終日現場を離れている状況が週の稼働日の半数以上の場合
・周期的に現場を離れる場合
については、適切な施工ができる体制を確保し、その体制について、元請の主任技術者等の場合は発注者、下請けの主任技術者の場合は元請又は上位下請けの了解を得ていれば、差し支えありません。
「専任」が求められない工事では
複数の工事現場の兼務が可能です。」
但し、その技術者が各工事現場においてその職務(施工の技術上の管理等)を誠実に行うことが可能な範囲に限りますので、注意が必要です。
「専任」が求められない工事
下記のいずれかの工事については、「専任」の技術者を配置する必要はありません。
●すべての業種において、請負金額4,500万円未満(建築一式は9,000万円未満)の工事
●個人住宅、長屋(共有部分無)等の工事
(公共性のある施設又は工作物ではない工事や、多数の者が利用する施設又は工作物ではない工事)
「営業所技術者等」が現場配置技術者となれる例外的なケース
「営業所技術者」、「特定営業所技術者」(従来、専任技術者と呼んでいた技術者)は、請負契約の締結にあたり技術的なサポート(工法の検討、注文者への技術的な説明、見積等)を行うことが職務です。
したがって、所属営業所に常勤していることが原則です。
以下の要件を満たす場合には、現場配置技術者への兼務が可能です。
(1)主任技術者又は監理技術者を専任で配置する必要がある建設工事
①所属する営業所で契約締結した工事であること
②兼ねる工事の現場数が1以下であること
③監理技術者又は主任技術者の兼務特例のうちの7要件を満たしていること
④当該技術者が所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあること
兼務特例のうちの7要件
①各建設工事の請負代金の額が、1億円未満(建築一式工事は2億円未満)であること
②建設工事の現場間の距離が、一日で巡回可能かつ移動時間が概ね2時間以内であること
③当該建設業者が注文者となった下請け契約から数えて、下請次数が3次以内であること
④監理技術者等との連絡その他必要な措置を講ずるための者(連絡員)を当該建設工事に配置していること※1
⑤当該工事現場の施工体制を確認できる情報通信技術の措置を講じていること
⑥人員の配置を示す計画書の作成及び現場に据置いていること※2
⑦当該工事現場以外の場所から現場状況を確認するための情報通信機器を設置していること
※1土木一式工事又は建築一式工事の場合は、当該建設工事の種類に関する実務経験を1年以上有する者を配置
※2電磁的記録媒体による措置も可能。当該計画書は、帳簿の保存期間と同じ期間、当該建設工事の帳簿を保存している営業所で保存しなければならない(計画書の参考様式)
(2)主任技術者又は監理技術者を専任で配置する必要がない建設工事
(営業所と工事現場が近接している場合)
①所属する営業所で契約締結した工事であること
③所属する営業所での職務が適正に遂行できる程度に近接した工事現場であること
③所属する営業所と常時連絡が取れる状態であること
④当該技術者が所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあること
(3)主任技術者又は監理技術者を専任で配置する必要がない建設工事
((2)の場合以外)
(1)の要件を全てみたすこと
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