建設工事を行うには、その工事の内容に沿った建設業の許可を取得しなくてはなりません。
許可申請する各官庁の窓口やそのホームページに公開している「建設業許可申請の手引き」確認することになりますが、ご不明な点などについては、まず、当事務所にお問合せください。

建設業工事の29業種

建設工事は、土木一式工事と建築一式工事の2つの一式工事27の専門工事に分類されており、行う工事の種類それぞれについて、それぞれの業種の許可を取得する必要があります。
それぞれに応じ29の業種が法律に定められています。

一式工事とは「総合的な企画や指導などのもと、土木工作物や建築物を建設する工事」であり、基本的に元請業者が行う工事です。
専門工事はそれぞれ別の許可が必要な業種のため、原則として、一式工事の許可を受けたとしても専門工事の施工はできません専門工事ごとに許可が必要になります。(専門工事の許可がなくても専門工事が施工できる条件を定めている行政庁があります)

ただし、次の場合、建設業許可を取得する必要はありません
建築一式工事以外の1件の工事請負額が、税込500万円未満
建築一式工事の場合、請負額が税込1,500万円未満または、延べ面積が150平方メートル未満木造住宅工事
税込金額です! ご注意を!)

また、工事の元請であり、下請けに施工させる金額によっては、特定建設業の許可が必要です。
『発注者から直接請け負う1件の元請工事合計額(税込)が、4,500万円以上 建築一式工事の場合は、7,000万円以上下請人に施工させる場合』(元請負人が提供する材料等の価格は含みません)
※令和4年12月31日までは、『発注者から直接請け負う1件の元請工事の合計額(税込)が、4,000万円以上(建築一式工事の場合は、6,000万円以上)を下請人に施工させる場合』でした。

No業種工事の内容工事の例
1木工事業総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を
建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む)
2築工事業総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を
建設する工事
3工工事業木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、
又は工作物に木製設備を取付ける工事
大工工事、型枠工事、造作工事
4官工事業工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、
繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事
左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、
吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事
5び・土工工事業足場の組立、機械器具・建設資材等の重量物の
クレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て/
くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事/
土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事/
コンクリートにより工作物を築造する工事/
その他基礎的ないしは準備的工事
①とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の
 クレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て
 工事、コンクリートブロック据付け工事
②くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打
 ぐい工事
③土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土
 工事
④コンクリート工事、コンクリート打設工事、コン
 クリート圧送工事、プレストレストコンクリート
 工事
⑤地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググ
 ラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け
 工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外
 広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工
 事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アン
 カー工事、潜水工事
6工事業石材(石材に類似のコンクリートブロック
及び擬石を含む)の加工又は積方により
工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事
石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み
(張り)工事
7根工事業瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事屋根ふき工事
8気工事業発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を
設置する工事
発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、
変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備
を含む)工事、照明設備工事、電車線工事、
信号設備工事、ネオン装置工事
9工事業冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等の
ための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して
水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を
設置する工事
冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気
調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨
房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、
水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダク
ト工事、管内更正工事
10イル・れんが・ブロック工事業れんが、コンクリートブロック等により工作物を
築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、
タイル等を取付け、又ははり付ける工事
コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ
積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、
スレート張り工事、サイディング工事
11構造物工事業形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を
築造する工事
鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等
の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、
水門等の門扉設置工事
12工事業棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事鉄筋加工組立て工事、鉄筋継手工事
13装工事業道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、
砂、砂利、砕石等により舗装する工事
アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、
ブロック舗装工事、路盤築造工事
14しゅんせつ工事業河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事しゅんせつ工事
15金工事業金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は
工作物に金属製等の付属物を取付ける工事
板金加工取付け工事、建築板金工事
16ラス工事業工作物にガラスを加工して取付ける工事ガラス加工取付け工事、ガラスフィルム工事
17装工事業塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、
又ははり付ける工事
塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り
仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事
18水工事業アスファルト、モルタル、シーリング材等に
よって防水を行う工事
アスファルト防水工事、モルタル防水工事、
シーリング工事、塗膜防水工事、
シート防水工事、注入防水工事
19装仕上工事業木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、
ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を
用いて建築物の内装仕上げを行う工事
インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、
内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、
ふすま工事、家具工事、防音工事
20械器具設置工事業機械器具の組立て等により工作物を建設し、
又は工作物に機械器具を取付ける工事
(プラント設備工事、運搬機器設置工事など)
プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力
発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器
設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備
工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、
サイロ設備工事、立体駐車設備工事
21縁工事業冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は
燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、
ウレタン吹付け断熱工事
冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は
燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、
ウレタン吹付け断熱工事
22電気信工事業有線電気通信設備、無線電気通信設備、
ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の
電気通信設備を設置する工事
有線電気通信設備工事、無線電気通信設備工事、
データ通信設備工事、情報処理設備工事、
情報収集設備工事、情報表示設備工事、
放送機械設備工事、TV 電波障害防除設備工事
23工事業整地、樹木の植裁、景石のすえ付け等により
庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、
建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事
植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ
工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、
水景工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事
24さく工事業さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事
又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事
さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉
掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油
掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事
25工事業工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、
金属製カーテンウォール取付け工事、シャッ
ター取付け工事、自動ドアー取付け工事、
木製建具取付け工事、ふすま工事
26道施設工事業上水道、工業用水道等のための取水、浄水、
配水等の施設を築造する工事又は公共下水道
若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事
取水施設工事、浄水施設工事、
配水施設工事、下水処理設備工事
27防施設工事業火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは
消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に
取り付ける工事
屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、
水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は
粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、
動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、
漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、
金属製避難はしご、救助袋、緩降機、
避難橋又は排煙設備の設置工事
28掃施設工事業し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事
29体工事業工作物の解体を行う工事工作物解体工事

許可に必要な要件

建設業許可を受けるためには、下記の6要件すべてを満たさなければなりません。

1)経営業務の管理責任者等(常勤役員等)がいること + 常勤性
2)適切な社会保険に加入していること
3)専任技術者がいること(資格・実務経験を有する技術者の配置) + 常勤性
  一般建設業と特定建設業では、要件が異なります
4)財産的基礎・金銭的信用を有すること(財産的要件
  一般建設業と特定建設業では、要件が異なります
5)欠格要件に該当しないこと誠実性があること
  法人の場合は、当該法人・役員・政令で定める使用人が、
  個人の場合は、その者・政令で定める使用人が、
  請負契約の締結やその履行に際して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと
  (他の法律(建築士法、宅建業法など)で免許取消等の行政処分を受けていないこと、また、
   処分を受けていた場合、その最終処分から5年経過している必要があります)
6)建設業の営業を行う事務所を有すること
  常時建設工事に係る請負契約等を締結する事務所をいい、登記とは関係なく実質的に関与すれば
  営業所にあたります
  ※2つ以上の都道府県に営業所があれば、大臣許可が必要です

経営業務の管理責任者等(常勤役員等)がいること

建設業許可要件の1つの「適正な経営体制を有し、経営業務の管理責任者がいること」という要件は、
常勤の役員や個人事業主等が個人として、若しくは、組織として、建設業の経営に関する一定の経験を有していることということです。
建設業の経営に関する一定の経験とは、下記のようになっています。

建設業法施行規則
第7条第1号
経験期間の地位経験の内容必要年数常勤役員を直接補佐する者
イ(1)建設業に関する経営業務の管理責任者経営業務の管理責任者としての経験5年以上
イ(2)建設業に関する経営業務の管理責任者に準ずる地位執行役員等としての経営管理経験
イ(3)経営業務の管理責任人者を補佐する業務に従事した経験6年以上
ロ(1)建設業の役員又は役員等に次ぐ地位役員等に次ぐ職制上の地位の場合は財務管理・労務管理・業務運営のいずれかの業務5年以上
(建設業の役員等の経験2年以上を含む)
建設業の財務管理・労務管理・業務管理についてそれぞれ業務経験5年以上の者
(1人が複数の経験を兼ねることが可能)
ロ(2)役員等
(建設業以外を含む)
国土交通大臣がイ又はロに掲げるものと同等以上の経営体制を有すると認定したもの

上記建設業法施行規則7条第1号ロは、『組織』として要件を満たす要件ですが、これを満たすには、相応の組織体制があることが必要ですので、『組織』としての要件で許可申請する法人は限られるのではないかと思います。

イ (1)建設業に関する経営業務の管理責任者 経験が5年以上 の場合

建設業許可を新たに取得する場合、『イ 1)建設業に関する経営業務の管理責任者 経験が5年以上 』で申請することが圧倒的に多いと思います。その場合に必要な書類は以下のようになります。

法人の役員の場合
①営業の実態について
 法人税の確定申告書のうち、別表一・決算報告書(税務署の受付印または税務署の受信通知必要)
②営業の実績について
 工事内容・工事期間・請負金額が確認できる工事の契約書・注文書・請求書等
 ※確認できる建設工事と次の建設工事との期間が12か月を超えていないこと
③ 常勤の役員であることについて
 履歴事項全部証明書、閉鎖事項全部証明書
 法人税の確定申告書のうち、役員報酬手当及び人件費等の内訳書
 ※就任~重任~退任など役員期間が途切れていないこと
これら①~③の全てが重なる期間が「経験年数」となります

個人事業主の場合
①営業の実態について
 所得税の確定申告のうち、第一表(税務署の受付印または税務署の受信通知必要)
 (第一表に税務署の受付印はないが第二表に税理士等の記名捺印がある場合は、第二表も必要)
②営業の実績
 工事内容・工事期間・請負金額が確認できる工事の契約書・注文書・請求書等
 ※確認できる建設工事と次の建設工事との期間が12か月を超えていないこと

過去に建設業許可を受けていた建設業者(現在の許可業者も)での経験がある場合

過去に常勤役員等(経管)として証明されている場合

●建設業許可申請書 又は、変更届の一部
 ・受付印のある表紙
 ・経験年数期間に該当する常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式7号)

過去に常勤役員等(経管)として証明されていない法人の役員 又は、個人事業主で経験の場合

●建設業許可申請書・変更届と常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式7号)の組み合わせパターン

①建設業許可申請書 又は、変更届(すべて写しでOK)
 ・受付印のある表紙
 ・経験年数期間に該当する常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式7号)
②法人の役員の場合、当該法人の役員としての経験件数分の商業登記簿謄本(役員欄の閉鎖謄本等)

このパターンは、経営経験を証明された他の役員の経験を使って、その証明されている全期間で同一会社で役員登記されていたことを証明することで、経験ありとみなすという考えのものです。
【注意】
ここで使える他の役員の経験証明期間は、大阪府が認めた期間(様式第7号に青書きの期間)だけです。
通常、許可申請した10年前、20年前のものの場合が多く、新たに経管になろうとする役員就任期間が、青書き期間に重なっていなければなりません。

●建設業許可通知書・決算変更届等の組み合わせパターン

①建設業許可通知書(経験年数分)(すべて写しでOK)
②決算変更届の一部(直近分)(すべて写しでOK)
 ・受付印又は確認印のある表紙、若しくは、完了通知のはがき
③法人の役員の場合、当該法人の役員としての経験件数分の商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書と閉鎖事項全部証明書)

このパターンは、比較的使いやすいパターンです。
①許可通知書について、5年以上の経営経験期間が必要なので、最低2通必要な点に気を付けてください。

支店長等での経験の場合

下記すべての書類
①建設業許可通知書(経験年数分)
②建設業許可申請書の一部
 ・受付印のある表紙
 ・営業所一覧表(様式1号別紙2)、
 ・建設業法令第3条に規定する使用人の一覧表(様式11号)
  ただし、平成21年4月1日改正以前は、営業所一覧表(様式第1号別紙2)に代えて、建設業許可申請書別表
③変更届の一部
 ・受付印又は確認印のある表紙、若しくは、完了通知のはがき
 ・変更届書(様式第22号の2)
 ・調書(様式第12号又は13号)
③決算変更届の一部(直近分)
 ・受付印又は確認印のある表紙、若しくは、完了通知のはがき

イ (2・3)ロ(1・2):建設業に関する経営業務の管理責任者に準ずる地位等の場合

●イ(2)は、役員に準ずる地位にあることを証明するために
上記《イ》(1)に加えて、法人の場合は、組織図や定款、取締役会議事録が必要です。

●イ(3)は、役員補佐する地位にあることを証明するために
上記《イ》(1)と《イ》(2)に加えて、雇用保険被保険者証などが必要です。

●ロは、役員等に次ぐ職制上の地位の場合は財務管理・労務管理・業務運営のいずれかの業務にあたった経験を証明する必要があり、その立場、経験期間を確認できる書類(イ(2)イ(3)に加えて、業務分掌規程等)などが必要です。

尚、イ(1)と同じく、「過去に建設業許可を受けていた建設業者(現在の許可業者も)での経験がある場合」での証明も可能です。

常勤性

常勤性については、専任技術者も同様ですので、
「専任技術者」中の経営業務の管理責任者等と専任技術者の常勤性の内容をご参照願います。

適切な社会保険に加入していること

令和2年10月1日より社会保険等への加入が許可要件化されました。
申請日時点で社会保険等(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)に加入していることが必要です。
(常時使用される者が5人未満の個人事業所などの適用除外であると認められる場合は除きます)

以下の書類を提出する必要があります。(ここでは、大阪府知事許可の手引きに基づいています。)

1)健康保険・厚生年金保険
 健康保険の加入状況によって、事業所整理番号・事業所番号の確認できる以下のいずれかの写しの提出が必要です。
 ①健康保険(全国健康保険協会)に加入している場合(何れか)
  ・健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書(これを利用する場合がほとんど)
   (紛失している場合、事業所の所在を管轄する年金事務所で再交付できます)
  ・納入告知書 納品書・領収証書
  ・保険納入告知額・領収済通知書
  ・社会保険料納入確認(申請)書(受付印のあるもの)
 ②組合管掌健康保険に加入している場合
  ・健康保険は、健康保険組合発行の保険料領収証書
  ・厚生年金保険は、上記①のいずれか
 ③国民健康保険に加入している場合
  厚生年金保険について、上記①のいずれか

2)雇用保険
 雇用保険の労働保険番号を確認できる以下のいずれかの写しを提出が必要です。
 ・「労働保険概算・確定保険料申告書」及び「領収済通知書」
 ・「労働保険料等納入通知書」及び「領収済通知書」
 ・許可申請時直前の保険料納付に係る雇用保険料納入証明書
 ・事業書設置届出ご間もなく、保険料支払いが発生していない場合、
  雇用保険被保険者資格取得等通知書(事業主通知用)または、雇用保険適用事業所設置届(受付済印)

※健康保険・厚生年金保険の適用事業所に該当するかは、近くの年金事務所に
 雇用保険の適用除外・適用対象外になるかは、公共職業安定所に それぞれ確認できます。

専任技術者がいること(資格・実務経験を有する技術者の配置)

営業所ごとに一定の資格や実務経験がある専任の技術者を置かなければなりません。
同一営業所において、各業種に各1名ずつ置かなければなりません。

必要な資格・実務経験

専任技術者に必要な資格については、下記を参照してください。

【1】一般建設業の実務経験(①~④)、資格(⑤⑥)ののいずれか
 ①対象建設業種に関し、高校卒業後5年以上又は、大学・高専卒業後3年以上の実務経験があり、指定学科※を修めた者
  令和5年7月1日以降、指定建設業と電気通信工事業を除いて
  1級の第1次検定合格者を大学指定学科卒業者と同等、2級の第1次検定合格者を高校指定学科卒業者と同等とみなせます。
 ②対象建設業種に関し、専修学校卒業後3年以上の実務経験があり、指定学科※を修め、専門士・高度専門士の者
 ③対象建設業種に関し、専修学校卒業後5年以上の実務経験があり、指定学科※を修めた者
 ④対象建設業種に関し、10年以上の実務経験がある者
 ⑤対象建設業種に関する検定種目等に合格している者
  (例:建築工事の場合、1級又は2級の建築施工管理(建築)に合格)
 ⑥対象建設業種に関する登録基幹技術者講習(一般建設業)を修了している者

※指定学科(施行規則第1条の表に掲げる学科一覧)

許可を受けようとする建設業建設業法施行規則第1条 指定学科
土木工事業 舗装工事業土木工学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科
建築工事業  大工工事業
ガラス工事業 内装仕上工事業
建築学又は都市工学に関する学科
左官工事業 とび・土工工事業 石工事業
屋根工事業 タイル・れんが・ブロック工事業
塗装工事業 解体工事業
土木工学又は建築学に関する学科
電気工事業 電気通信工事業電気工学又は電気通信工学に関する学科
管工事業 水道施設工事業土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科
鋼構造物工事業 鉄筋工事業土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
しゅんせつ工事業土木工学又は機械工学に関する学科
板金工事業建築学又は機械工学に関する学科
防水工事業土木工学又は建築学に関する学科
機械器具設置工事業 消防施設工事業建築学、機械工学又は電気工学に関する学科
熱絶縁工事業土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
造園工事業土木工学、建築学、都市工学又は林学に関する学科
さく井工事業土木工学、鉱山学、機械工学又は衛生工学に関する学科
建具工事業建築学又は機械工学に関する学科
土木工学:農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む

加えて、令和5年7月1日より、下記の表にある
技術検定種目の1級(1次・2次検定)合格者は、対応する指定学科の大学を卒業した者とみなし、3年の実務経験で、2級(1次・2次検定)合格者は、対応する指定学科の高等学校を卒業した者とそれぞれみなし、5年の実務経験をそれぞれ満たすことで、専任技術者となることができます。

技術検定種目同等とみなす指定学科
土木施工管理、造園施工管理土木工学
建築施工管理建築学
電気工事施工管理電気工学
管工事施工管理機械工学

【2】特定建設業の資格・実務経験
 指定業種(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造工事業、舗装工事業、造園工事業)は、下記①、④、⑤である必要があります。
 対象建設業種に関する検定種目等に合格している
  (例:建築工事の場合、1級の建築施工管理(建築)に合格)
 ②対象建設業種に関する上記一般建設業①~④の者のうち、2年以上の一定の指導監督的実務経験※がある
 ③対象建設業種に関する登録基幹技術者講習(特定建設業)の修了者のうち、2年以上の指導監督的実務経験がある
 昭和63年6月6日時点で指定建設業の専任技術者又は、同日1年前に監理技術者の経験があり、
  技術検定の1級を受験し、指定講習の効果評定に合格
している
 管工事業と鋼構造工事業において、指定の技術検定のうち、検定職種1級に合格している

※一定の指導監督的実務経験
 発注者から直接請け負い、その請負代金が、4,500万円(税込)以上であるものに関して、
 建設工事の設計や施工の全般について、工事現場主任者や工事現場監督者の立場で指導監督した経験を言います。
 (発注側、下請人としての経験は含みません)

実務経験を計算する上での注意点

実務経験とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいい、建設工事の発注にあたって設計技術者として設計に従事したり、現場監督技術者として監督に従事した経験や土工及びその見習いに従事した経験等も含めて取り扱われます。(単に建設工事の雑務のみの経験年数は含まれません)

また、実務経験期間は、具体的に建設工事に携わった実務経験で、その建設工事の経験期間を積み上げ合計した期間となり、経験期間が重複している場合、原則として二重に計算できません。
ただし、平成28年5月31日までにとび・土工工事業許可で請け負った解体工事についての実務経験期間は、とび・土工工事業と解体工事業両方の実務の経験として二重に計算できます。

電気工事消防施設工事については、それぞれ電気工事士法、消防法等により電気工事士免状消防設備士免状等の交付を受けた者等でなければ、一定の工事に直接従事できないので、実務経験は、免状発行日からとなります。

建設リサイクル法施行(令和3年9月1日)後の解体工事の経験は、土木工事業建築工事業とび・土工工事業解体工事業の許可、建設リサイクル法に基づく解体工事業登録で請け負ったものに限られます。
許可通知書等や解体登録通知書等を申請時に提示しなければなりません。

実務経験の証明

実務経験

 実務経験証明書(様式あり)に記載し、
 記載した工事の実績確認書類(契約書、請求書等)を提示する必要があります。
 経験期間について、工事と工事の期間が12カ月以上空かないことが必要です。
 ※工事実績証明するための書類
 工期、工事名、工事内容、請負金額を示すもので、実際に工事を行った時の請負契約書や注文書、
 請求書などです。
 申請する会社の従業員が、10年以上の在籍がある場合は、自社ですべて用意できますが、
 他社から転職した技術者が専任技術者となる場合は、その他社の協力が欠かせません。

指導監督的実務経験

 指導監督的実務経験証明書(様式あり)に記載し、
 記載した工事の実績確認書類(契約書、請求書等)を提示する必要があります。
 経験期間は、各工事の通算工期が2年以上必要です。
 ※工事実績確認書類に必要な内容
 ・元請 ・工期 ・工事名 ・工事内容 ・請負金額(4,500万円以上

【経験期間の在籍確認】

 経験期間に許可申請者と異なる事業者の在籍期間がある場合や初めて実務経験を証明する場合に必要です。
 下記のいずれかの書類を提出する必要があります。
 ・年金の被保険者記録照会回答票
 ・雇用保険被保険者証(申請時点で継続雇用されている場合)
 ・雇用保険被保険者離職票(申請時点で離職している場合)
 ・個人事業主が証明する場合、個人事業主の所得税確定申告書のうち、税務署受付印のある第一表と
  専従者給与欄又は給与支払者欄に内訳・氏名の記載がある書類

経営業務の管理責任者等と専任技術者の常勤性

許可申請の際、
・経営業務の管理責任者等である常勤役員等(経営業務の管理責任者等)
・経営業務の管理責任者等である常勤役員等を直接に補佐する者(法人の従業員や個人事業の専従者・従業員)
・専任技術者
について、常勤性の証明が必要です。

※専従者
個人事業主と生計を一にしている(同居しているか否かに関わらず、生活費など家計を同じにしている)配偶者や15歳以上の親族などで、1年の内6ヵ月以上(若しくは従事できる期間の半分以上)その事業に専ら従事している「家族従業員」を指します

対象者によって、常勤性を確認する書類は異なります。

No書類法人の役員、従業員個人事業主個人事業の専従者個人事業の従業員
1健康保険被保険者標準報酬決定通知書(直近年のもの)
健康保険被保険者証(申請時において有効なもの)
※健康保険被保険者証が事業所名のない建設国保等の場合、別途建設国保等の加入証明書も必要
2住民税特別徴収税額通知書(特別徴収義務者用)
住民税特別徴収税額通知書(納税義務者用)
※両方とも直近年のものが必要

後期高齢者医療制度被保険者はこれ

後期高齢者医療制度被保険者はこれ
3国民健康保険被保険者証
(申請時に有効なもの)
4直前の個人事業主の所得税の確定申告書(税務署の受付印のある第一表)
※電子申告の場合、税務署の受信通知。第一表に税務署の受付印がなく第二表に税理士等の記名捺印がある場合は第二表も必要
後期高齢者医療制度被保険者はこれ
5直前の個人事業主の所得税の確定申告書
(税務署の受付印のある第一表 と 事業専従者欄又は給料賃金の内訳欄に氏名・金額の記載がある書類)
※電子申告の場合、税務署の受信通知
 第一表に税務署の受付印がなく第二表に税理士等の記名捺印がある場合は第二表も必要

後期高齢者医療制度被保険者はこれ
後期高齢者医療制度被保険者はこれ
6市町村の長が発行する住民税課税証明書
(直近年のもの)※3 か月以内に発行
(6月以降は、前年分)
後期高齢者医療制度被保険者はこれ後期高齢者医療制度被保険者はこれ後期高齢者医療制度被保険者はこれ
7直前3か月分の賃金台帳等役員就任直後の場合従業員として雇用直後の場合
8役員報酬に関する役員会議事録役員就任後3カ月目の報酬が未支給の場合はこれ
(7は不要)
9雇用契約書又は労働条件明示書(給与額が確認できるもの雇用後3か月目の賃金が未支給の場合はこれ
(7は不要)
10住民税特別徴収切替申請書(市町村の受付印のある控え)役員就任直後、
役員就任後3か月目の報酬が未支給の場合
従業員として雇用直後、
雇用後3か月目の賃金が未支給の場合

対象者が次に該当する場合は、別途書類が必要です。
75歳未満の後期高齢者医療制度被保険者は、後期高齢者医療制度被保険者証
出向者は、出向協定書及び出向辞令
役員報酬等の月額が10 万円未満、又は、給与額が大阪府の地域別最低賃金(月額10万円)を下回り
 かつ代表者又は代表者と生計を一にする者は
 健康保険被保険者証又は国民健康保険被保険者証、住民税課税証明書及び申請者の確定申告書類
 ※法人の役員についても同様
 ※住民税課税証明書及び申請者の確定申告書類は、同一の期間で確認するため、
  12 月決算以外の法人は確定申告書を2 年分必要

住民票の住所と実際の居所が異なる場合、以下の書類が必要です。
・居所について、対象者名義の公共料金の領収書・請求書・契約書
・対象者が、居所を使用していることがわかる貸主からの賃貸契約書や承諾書

また、居所から営業所まで、通勤に1 時間半以上かかると思われる場合、居所の最寄り駅から営業所の最寄り駅までの6 か月以上分の通勤定期券が必要な場合があります。

財産的基礎・金銭的信用を有すること(財産的要件)

財産要件のうち、財産的基礎・金銭的信用は、一般建設業許可と特定建設業許可で大きく異なります。
特定建設業許可の財産要件は、発注者や下請の保護という要請が強く、一般建設業許可よりも厳しいものとなっています。

一般建設業許可

次のいずれかに該当すること
・直前の決算において、自己資本額が500万円以上あること
 法人:法人税の確定申告書の別表一と決算報告書
 個人:所得税の確定申告書の第一表と第二表と青色申告決算書(又は収支内訳書)と貸借対照表
500万円以上の資金調達能力を証明できること
 金融機関の預金残高証明書(残高日が申請日前4週間以内)で証明
・許可申請直前の5年間に許可を受けて継続して建設業の営業をした実績を有すること

特定建設業許可

許可申請直前の決算期における財務諸表において、次のすべてに該当すること
資本金額が2000万円以上あること
自己資本額(純資産)が4000万円以上あること
 (個人の場合、貸借対照表の期首資本金、事業主勘定などから計算します)
欠損額が資本金の20%を超えていないこと
 (法人、個人それぞれで算出式が異なります)
流動比率が75%以上であること
 (流動資産を流動負債で割った割合)

上記を以下の書類で証明します。
法人:法人税の確定申告書の別表一と決算報告書
個人:所得税の確定申告書の第一表と第二表と青色申告決算書(又は収支内訳書)と貸借対照表

欠格要件に該当しないこと、誠実性があること

一般建設業、特定建設業に共通の要件で、具体的には14項目が規定されています。

  1. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  2. 一般建設業・特定建設業許可の取消しの日から、5年以内の者
  3. 一般建設業・特定建設業許可の取消処分に関する聴聞通知の日から処分決定の日までの間に、廃業届をして、その届出の日から5年以内の者
  4. 前号の場合において、聴聞通知の日前60 日以内にその法人の役員、使用人であった者で、当該届出の日から5年以内の者
  5. 営業の停止命令を受け、その停止の期間が経過しない者
  6. 許可を受けようとする建設業の営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
  7. 禁錮以上の刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年以内の者
  8. 建設業法、又は一定の法令※の規定により罰金以上の刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年以内の者
  9. 暴力団員でなくなつた日から5年以内の者
  10. 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定める者
  11. 未成年者でその法定代理人が上記1から10まで又は下記12のいずれかに該当する者
    (法人でその役員等のうち上記5該当する者を除く)
  12. 法人でその役員等又は一定の使用人に、上記1から4まで又は6から10までのいずれかに該当する者のあるもの(取消・届出・営業禁止以前からその法人の役員又は使用人であった者を除く)
  13. 個人で一定の使用人のうちに、上記1から4まで又は6から10までのいずれかに該当する者(取消・届出・営業禁止以前からその個人の使用人であった者を除く)のあるもの
  14. 暴力団員等がその事業活動を支配する者

一定の法令※
・刑法第204条(傷害罪)、第206条(現場助勢罪)、第208条(暴行罪)、第208条の3(凶器準備集合罪)、第222条(脅迫罪)、第247条(背任罪)
・建築基準法、宅地造成等規制法、都市計画法、景観法、労働基準法、職業安定法、労働者派遣法の規定で政令で定めるもの
・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律


そのうちの要注意項目1つと書類提出を要する2件を挙げます。

①禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 ※禁錮以上:死刑・懲役・禁錮のこと
 ※執行猶予の場合:
  執行猶予期間が満了したとき、刑の言い渡し自体がなかったことになるため、執行猶予期間が満了したとき、
  その後5年経過する必要はありません。しかし、執行猶予期間中は欠格要件に該当してしまいます。
  スピード違反や飲酒運転で執行猶予になることもありますので、十分に注意してください。
②破産手続開始の決定受けて復権を得ない者
 成年被後見人、被保佐人又は破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者に
 該当しないことを証明する登記事項証明書(登記されていないことの証明書←法務局が発行)及び、
 市町村長の長の証明書(身分証明書←市区町村が発行)
③心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省が定めるもの
 破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しないことを証明する市町村の長の証明書及び、
 契約の締結及びその履行にあたり必要な認知、判断および意思疎通を適切に行うことができる能力を
 有する旨を記載した診断書
(②③の書類は、顧問、相談役、総株主の議決権の5%以上を有する個人株主は必要ありません)

欠格要件の対象者
a.申請する法人自体
b.申請者である法人の役員等
 (取締役、相談役、顧問など名称を問わず、業務を執行し、支配力を有する者で非常勤も含む)
c.令3条使用人(支店長や営業所長など)
d.総株主の議決権の5%以上を有する個人株主
e.個人事業主
f.個人事業主の支配人
g.上bからfの法定代理人
h.上gの法定代理人の役員

建設業の営業を行う事務所を有すること

一般建設業、特定建設業に共通の要件です。
以下すべてに該当していなければなりません。
①事務所など建設業の営業を行うべき場所を常時使用する権限を有すること
②建物の外観又は入口等において、申請者の商号又は名称が確認できること
③固定電話、事務機器、机等什器備品を備えていること
④許可業者は、営業所ごとに建設業の許可票を掲げていること
⑤支店等の代表者が常勤しており、かつ契約締結等に関する権限を申請者から委任されていること
専任技術者が営業所に常勤して専らその職務に従事していること

※提出する必要はないですが、上①に関して、自己所有の場合の登記事項証明書や賃貸の場合の賃貸契約書を手元に保管しておきましょう。

許可申請する各官庁の窓口やそのホームページに公開している「建設業許可申請の手引き」確認することになりますが、ご不明な点などについては、まず、当事務所にお問合せください。

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