建設キャリアアップシステム(CCUS)の概要

生産労働者の年齢別賃金ピークは、製造業全体では50~54歳ですが、建設業は45~49歳と、5年ほど早く到来しています。これは、本人の現場管理や後進の指導育成といったスキルが適切に評価されていない可能性があると考えられています。
また、建設技能者は、異なる事業者の様々な現場で日々働いているため、個人を能力評価する業界横断的な統一の仕組みが存在せず、本人のスキルアップが処遇の向上にはつながっていかないという業界の構造的な問題があります。

建設業の現場を担う技能者、とりわけ若年層の入職を進めるために、他産業と比べて生涯を通じて魅力的な職業、産業であることを目に見える形で示していくことが大切なため、国土交通省が、技能者の保有資格・社会保険加入状況や現場の就業履歴などを業界横断的に登録・蓄積して活用する仕組みである『建設キャリアアップシステム(Construction Career Up System, 略称CCUS)』運営しています。

2022年8月末時点で、の技能者は約97万人が登録し、 約13万社の事業者(一人親方除く)が登録済です。( 一人親方は約6万者)
現場での利用となる就業履歴数は月300万円超で推移しています。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の目的

建設キャリアアップシステムの目的は、若い世代が安心して働き続けられる建設業界を目指して、
●技能者の能力・経験に応じてた適正な処遇改善につなげる
●技能者を雇用し育成する企業が伸びていける業界環境をつくることです。

CCUSカードと技能者能力の適正評価について

技能者の技能レベルに応じた4段階のカードを発行しています。

レベル技能者内容
ホワイト
初級技能者(見習いの技能者)
建設キャリアアップシステム(CCUS)に技能者登録し、
レベル判定を受けていない技能者
ブルー
中堅技能者(一人前の技能者)
下記2つを満たすこと
①CCUSに蓄積された就業日数が、645日(3年)以上であること
②指定された資格を保有していること
シルバー
職長として現場に従事できる技能者
下記3つを満たすこと
①CCUSに蓄積された就業日数が、1,505日(7年)以上であること
②指定された資格を有し、かつ、レベル2の資格も有していること
③CCUSに蓄積された職長または班長としての就業日数が215日(1年)以上であること
※職長:現場や作業所の技能者に対して指導監督する立場の方
※班長:所属する班が最大限効果を発揮できるよう指揮監督する立場の方
ゴールド
高度なマネジメント能力を有する技能者
(登録基幹技能者等)
下記3つを満たすこと
①CCUSに蓄積された就業日数が、2,150日(10年)以上であること
②指定された資格を有し、かつ、レベル2とレベル3の資格も有していること
③CCUSに蓄積された職長としての就業日数が、645日(3年)以上であること

技能者の能力評価は、
①経験(就業日数)、②知識・技能(保有資格)、③工事を収める能力(登録基幹技術者・職長経験)を組み合わせた評価で、この能力に応じた処遇につながります。

経験が評価項目の1つですので、
・事業者による施工体制と技能者のCCUSへの登録
・技能者現場カードリーダーによる就業履歴のCCUSへの蓄積
が欠かせません。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用手順

手順やること技能者下請業者元請業者
1CCUSに登録する技能者登録事業者登録事業者登録
2現場ごとに現場登録し、カードリーダー等の
就業履歴蓄積デバイスを用意する
3現場ごとに現場の施工に関わる事業者の施工体制登録を行い、
現場の技能者について施工体制技能者登録を行う
4現場のカードリーダーにCCUSカードをタッチし、
就業履歴を蓄積

上記手順1の「技能者登録」が完了すると、建設キャリアアップカードが交付されます。
この時点では、レベル1のホワイトカードが交付されます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)のメリット

技能者にとって

自分の資格や就業履歴を証明できるため、働く現場にかかわらず適正な評価と処遇が受けられます。具体的には、
①レベルごとの年収目安をつくり、賃金相場の形成に取り組むことにより、処遇の改善を図られます。(一部の事業者では、「優良職長」等の制度運用による直接的なメリットも受けられます)
②会社や現場が変わっても、就業履歴が蓄積できます。
③就業履歴や保有資格を証明することができます。
④自分の職歴や技能を把握することができ、自分の将来像を具体的に描くことが可能となります。

専門工事事業者にとって

事業者にとっては、技能者の就業状況等を容易に確認できるほか入退場にICカードを使うことにより、現場の入場管理等の効率化が図れます。
①雇用技能者数、保有資格、社会保険加入状況等の根拠として、取引先に情報を示すことができます。
②技能者能力評価と連動した施工能力等の見える化が可能となり、元請業者に対して施工能力をアピールすることができます。
③出面管理のデータ化、賃金や代金支払いの根拠資料として利用できます。
④蓄積された就業履歴や技能、資格情報は共有できるため、優秀な人材確保につながります。
⑤求職者の自己申告に頼らずに、客観的にレベルを把握することができます。

元請・上位下請事業者にとって

①新規取引業者の施工能力や技能者数、資格、社会保険加入状況等を確認することができます。
②施工体制台帳、作業員名簿作成作業の簡素化、ペーパーレス化も可能です。
③システムに蓄積された就業履歴を基に建退共の必要書類を作成することができるため、手作業の書類作成ミスの心配もなく、証紙購入・貼り付けが不要になります。
④外国人労働者の資格等を確認することができます。

CCUSの利用料金

事業者

事業者登録料

事業者の資本金によって、登録料が変わります。

資本金新規・更新(税込)
一人親方0円
500万円未満6,000円
500万円以上1,000万円未満12,000円
1,000万円以上2,000万円未満24,000円
2,000万円以上5,000万円未満48,000円
5,000万円以上1億円未満60,000円
1億円以上3億円未満120,000円
3億円以上10億円未満240,000円
10億円以上50億円未満48,000円
50億円以上100億円未満600,000円
100億円以上500億円未満1,200,000円
500億円以上2,400,000円

事業者 管理者ID利用料(年間)

1IDにつき、年間11,400円(税込)
一人親方は、年間2,400円(税込)

事業者 現場利用料

就業履歴回数1回につき、10円(税込)(月ごとにまとめて元請の登録責任者に請求されます)

技能者

建設キャリアアップカードの発行に必要となる料金です。
カード有効期間は発行日から発行9年経過後最初の誕生日までです。
なお、申請時60歳以上の方の有効期限は発行14年目の誕生日までで、本人確認書類未提出者は発行2年目の誕生日までが有効期限です。

・簡略型登録料金:2,500円(税込)
・詳細型登録料金:4,900円(税込)
・詳細型への移行:2,400円(税込)

技能者登録の簡略型と詳細型

技能者登録時に、「簡略型登録」と「詳細型登録」のどちらかを選択する必要があります。
※能力評価を受けるためには、技能者登録を詳細型で行う必要があります。

項目簡易型詳細型
本人情報
・技能者氏名 ・生年月日 ・性別 ・血液型 ・国籍(外国籍のみ)
・現住所 ・電話・FAX番号(いずれか) ・メールアドレス
・CCUSカード送付先(現住所と異なる場合のみ)
・緊急連絡先:住所(現住所と異なる場合のみ):電話番号:氏名
所属事業者情報
技能職種(職種選択)
過去の実務経験(自由記述)
社会保険(健康保険・年金保険・雇用保険)
建退共 被共済者番号
中退共 
労災保険特別加入 労災保険整理番号
健康診断 健康診断種別コード
学歴(学校・学科名)
登録基幹技能者資格(資格名、有効期限)
保有資格(資格名、取得年月日、有効期限など)
研修等受講履歴
表彰履歴

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更新一般のみ:8万円、特定あり:9万円
決算変更届3万円
各種変更届2万円
経営事項審査(決算変更届・経営状況分析申請含む)12万円
入札参加資格審査申請2万円
別途、大阪府手数料(新規許可(一般・特定の一方のみ):9万円など)必要

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行政書士 尾﨑
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